信頼性設計

1.フォールトアボイダンス
  (Fault Avoidance:障害回避)

 システム構成要素に信頼性の高い部品、バグの少ないソフトウェアを選び
   ひとつ一つの故障率を下げることで全体の信頼性を向上させる

 システムに故障が発生しないように動作し続ける
   各要素の信頼性を高めて故障の確率はゼロにはならない
   単独で使用される機会の少ない設計手法

 具体的な例
   ・宇宙船は故障が大事故に直結するため、高い信頼性が求められる
   ・医療機器は人体に直接関わる
   ・自動車は1tほどの鉄の塊が時速40km/h程度の速度で走行する

2.フォールトトレランス
  (Fault Tolerance:故障耐性)

 重要部品を多重化しシステムに障害が発生したらその部分を切り離して、
   システム全体は動作できるようにシステムを構成する

 システムに異常をきたしても正しく動作し続ける
   機能を止めることができない製品やシステムに適用する

 具体的な例
   ・電源装置を二重化し、片方が故障しても電源が落ちないコンピューター
   ・停電すると発電機が起動して電力を供給させ続けるビル

3.フェールセーフ
  (Fail Safe:失敗安全)

 システムの一部が故障しても、全体に危険が生じないような構造や仕組み
   システムが壊れたり、故障したりしても人間に害を及ぼさない

 故障や誤動作が発生した場合、その被害を最低限に抑え、
   ほかの正常な部分に影響が及ばぬよう、安全側に働くようにし
   危機を回避し、全体として安全を保つ

 具体的な例
   ・人であれば怪我をしないこと
   ・モノであれば資産価値を損なわないこと
   ・車が壊れた時に速度が下がること
   ・エレベーターはケーブルが切れた際に別系統のブレーキが作動する
   ・ブレーカーやヒューズは過電流を遮断する
   ・閉まる自動ドアに挟まっても扉が開く

4.フェールソフト
  (Fail Soft:失敗柔軟)

 故障が発生したときに故障個所を切り離し
   性能が低下しても全面的に停止せずシステムの稼働を維持する

 故障が発生しても、もう一方の系で運用を続ける

 具体的な例
   ・エンジンが壊れたら予備のエンジンで動作させる飛行機
   ・停電したらバッテリー運転に切り替わるパソコン(サーバー)

5.フールプルーフ
  (Fool Proof:間抜け通さない)

 入力画面で誤って入力したらエラーメッセージが表示され、再入力
   事前に工夫をして設計されたシステム

 使用者が意図しない使い方をしても故障しないように工夫されたシステム

 具体的な例
   ・赤ん坊が押せないよう100均ライターのボタンは固い
   ・プレス機の挟み込みの危険がある場合は両手押しによるスイッチ
   ・ニュートラルに入れた状態でブレーキを踏まないとエンジン始動しない


 

  


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